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創業233年の「若手企業」?
丸亀市のゆるキャラ『骨付じゅうじゅう』に『京極くん』。
その横で盛り上げる『住みます芸人』。
さて、これは何のイベントでしょう?
答えは『大仏壇博』。
ゆるキャラや芸人といったワードとは無縁と思われる
仏壇・仏具の展示会である。
開催しているのは仏壇・仏具などの製造・販売を手掛ける木谷仏壇。
創業は天明元年(1781年)、230年以上の歴史を誇る企業だ。
弘法大師の誕生所として有名な総本山善通寺御用達の老舗であり、
県内で唯一、仏壇製造工場を持っている。

仏壇を扱う企業と聴けば、働く人もお客様も年配者が中心で、
少々暗くて敷居が高い会社をイメージしがちだが、
冒頭のイベントに代表されるように、木谷仏壇では事情が異なる。
20回を超えて開催している大仏壇博を運営しているのは、
20代、30代の若き社員たち。
家族で楽しめる空間を作ることで、お仏壇への親しみを持ってもらえるよう、
毎年、工夫を凝らしたイベントを開催し、多くのお客様に喜ばれている。
30年以上、毎年、新卒を採用。
木谷仏壇は、1984年から毎年新卒者を採用してきた会社だ。
木谷仏壇は、1984年から毎年新卒者を採用してきた会社だ。
ゆえに、20代、30代の社員が大勢活躍している。
彼らの入社動機として多いのが、
「人と接する仕事に興味があったから」
「お客様に喜んでもらえる仕事だと思ったから」
という理由。
しかし、それだけなら他にもたくさん企業はある。
なのに、なぜ「お仏壇」という業界を選んだのだろう。


就職説明会などで参加者がよく口にする言葉がある。
就職説明会などで参加者がよく口にする言葉がある。
「イメージが変わった」
若手社員は口をそろえる。
「お仏壇というと、何となく暗いイメージがあったのですが、
実際に働く人の話を聞いてみると、
みな笑顔で生き生きと働いていて、生命感にあふれていました。
それまでの印象がガラッと変わり、就職先として意識するようになったんです。」
みな笑顔で生き生きと働いていて、生命感にあふれていました。
それまでの印象がガラッと変わり、就職先として意識するようになったんです。」
「そもそも、お仏壇は縁起の良いものですし、営業の仕事もお仏壇を売るというよりは、
仏事や法事のご相談に乗るうちに、お付き合いが始まっていく感覚です。
感謝される仕事なので、喜びは大きいですよ。」
仏事や法事のご相談に乗るうちに、お付き合いが始まっていく感覚です。
感謝される仕事なので、喜びは大きいですよ。」
また、業界の変化を肌で感じている女性社員もいる。
「最近のお仏壇には、ファッション性やかわいらしさを兼ね備えたものも多くなっています。
接客中『これ、かわいい!』という言葉を聞くことも増えてきました。
木谷仏壇では、商品開発に若手社員も関わるため、新しいテイストの商品が生まれています。」
接客中『これ、かわいい!』という言葉を聞くことも増えてきました。
木谷仏壇では、商品開発に若手社員も関わるため、新しいテイストの商品が生まれています。」
確かに、店内は明るく、近寄りにくいイメージもない。
接客業ゆえに笑顔は当然なのだが、本当に木谷仏壇の若手社員は笑顔が多いのだ。
そんな木谷仏壇を率いる社長の岡本さんは、36歳の若き経営者。
230年を超える歴史を持つ企業を引き継ぐ理念はゆるぎない。
「『企業とは儲ける事ではない。 誠実と努力の報酬を得ることである』が当社の社訓です。
企業とは単に儲けるために運営しているのではなく、
社会の一員として仕事を通じ、社会に奉仕するために存在しています。
その態度または姿勢が、努力と誠実を伴うものであって
はじめて利益を得ることができるという考え方です。
当社では、その社会利益によって会社が成り立ち、
存続していくものだと考えています。
社会の一員として仕事を通じ、社会に奉仕するために存在しています。
その態度または姿勢が、努力と誠実を伴うものであって
はじめて利益を得ることができるという考え方です。
当社では、その社会利益によって会社が成り立ち、
存続していくものだと考えています。
しかし、お仏壇だというだけで、
何となく敷居が高いイメージを持たれることを残念に思っています。
だからこそ、会社訪問に来た求職者の方から『印象が変わった』
という言葉をもらえると嬉しく感じます。
仏壇業界の将来性に疑問を持つ人がいるかもしれませんが、
お仏壇に手を合わせる心は、普遍だと思いますし、顧客のすそ野を広げるため、
近年では、インターネットでの販売も行っています。」

だからこそ、会社訪問に来た求職者の方から『印象が変わった』
という言葉をもらえると嬉しく感じます。
仏壇業界の将来性に疑問を持つ人がいるかもしれませんが、
お仏壇に手を合わせる心は、普遍だと思いますし、顧客のすそ野を広げるため、
近年では、インターネットでの販売も行っています。」
イメージを変えるため、ビルを全部黄色にし、
照明を増やし、店内を明るくしたという岡本社長。
現在は、社員がいきいきと働ける環境づくりにも注力している。


照明を増やし、店内を明るくしたという岡本社長。
現在は、社員がいきいきと働ける環境づくりにも注力している。
「社員旅行は2年に1回。全社集まっての懇親会も年に2回開催しています。
クイズ大会やじゃんけん大会などは人気です。
何より若い社員に仕事の喜びややりがいを感じてもらえるように
環境整備に注力しています。」

何より若い社員に仕事の喜びややりがいを感じてもらえるように
環境整備に注力しています。」

長くお付き合いできる仕事がしたかった。
下記写真の男性社員は、入社2年目。京都の大学卒業後、香川にUターン就職した。
経済学部出身で、営業職希望。高額商品を手掛ける会社に興味を持っていたという。
「営業職を強く希望していたというよりは、
事務仕事をしているイメージがつかなかったから営業職希望になったという感じです。
お客様と直接関わる仕事がいいと漠然と思っていました。
何を扱うかを考えた時に、お客様と長く付き合っていける商材の方が、
実績を積み重ねることができて、営業しやすそうだと思ったんです。
そこで、ハウスメーカーなども受験していました。」
お仏壇という業界を選んだのは、どんなきっかけだったのだろうか。
「まず、売って終わりではなく、長くお付き合いが続くところに惹かれました。
そして、できれば『あの人から買った』と周囲に伝えてもらえる仕事がしたかったんです。
決定的だったのは、お仏壇やお墓を買った人のことは、忘れないと確信できたから。
そして、長い歴史を持つ会社なら信頼されるとも思いました。
働くなら、一生懸命やりたい。
でも、それが結果につながらないと面白くないですよね。
ならば、一生懸命お客様向きの仕事をしていれば、ご紹介がいただけ、輪が広がっていく。
木谷仏壇の仕事は、そんな仕事だと思い、入社しました。」

そして、できれば『あの人から買った』と周囲に伝えてもらえる仕事がしたかったんです。
決定的だったのは、お仏壇やお墓を買った人のことは、忘れないと確信できたから。
そして、長い歴史を持つ会社なら信頼されるとも思いました。
働くなら、一生懸命やりたい。
でも、それが結果につながらないと面白くないですよね。
ならば、一生懸命お客様向きの仕事をしていれば、ご紹介がいただけ、輪が広がっていく。
木谷仏壇の仕事は、そんな仕事だと思い、入社しました。」
営業職に携わる者にとって、紹介は営業効率を大きくアップさせると同時に、
大きなモチベーションになる。そこに注目したのだ。
いい接客をすればするほど、自分にプラスになる確信があったのだろう。
現在の仕事内容はどんな感じだろうか。
いい接客をすればするほど、自分にプラスになる確信があったのだろう。
現在の仕事内容はどんな感じだろうか。
「店舗での接客を経験した後、外商営業職として、お客様宅を訪問する毎日です。
ご葬儀があったお宅にお線香を上げに伺うところから仕事がスタートします。
商品をご提案に行くというよりは、お客様が戸惑われることの多い法要や法事などについて、
ご相談に乗るスタイルです。
信頼関係ができてくると、四十九日や初盆、一周忌などのタイミングで商品を
お求めいただけるようになります。」

ご葬儀があったお宅にお線香を上げに伺うところから仕事がスタートします。
商品をご提案に行くというよりは、お客様が戸惑われることの多い法要や法事などについて、
ご相談に乗るスタイルです。
信頼関係ができてくると、四十九日や初盆、一周忌などのタイミングで商品を
お求めいただけるようになります。」
「お仏壇のお掃除や消耗品などの小さなお付き合いからだんだんと取引が大きくなると、
自分のことを頼って頂いている実感が持てて、本当にうれしいです。
もちろん、自分が出した結果については、賞与などの待遇にもきちんと反映されますから、
その点でもやりがいになると思います。」
もちろん、自分が出した結果については、賞与などの待遇にもきちんと反映されますから、
その点でもやりがいになると思います。」
「やりがい」を語る表情からは、仕事への充実感が感じられるが
お仏壇・お墓という商品ゆえの苦労はないのだろうか?
「どんな仕事をするにしても、お客様から拒否される場合はつらいものです。
当社の場合、ご葬儀があったお宅にお邪魔するわけですから、
嫌な顔をされるのではと思う方も多いかもしれません。
しかし、木谷仏壇が長く積み重ねてきた実績がモノを言い、すんなりと受け入れてもらえます。
拒否されても、結局は、誰かが紹介してくれる場合が多いですね。
お仏壇だからというデメリットは感じたことがありません。
それより、最初は距離を感じていた方とだんだんと親密になっていく充実感は、格別ですよ。
そのきっかけになる仏教の知識などは、
キャリアの長いパートさんや先輩がきちんと教えてくれますし、
急いで営業して売れる商品でもないので、売上、売上とせっつく店長もいないと思います(笑)。

当社の場合、ご葬儀があったお宅にお邪魔するわけですから、
嫌な顔をされるのではと思う方も多いかもしれません。
しかし、木谷仏壇が長く積み重ねてきた実績がモノを言い、すんなりと受け入れてもらえます。
拒否されても、結局は、誰かが紹介してくれる場合が多いですね。
お仏壇だからというデメリットは感じたことがありません。
それより、最初は距離を感じていた方とだんだんと親密になっていく充実感は、格別ですよ。
そのきっかけになる仏教の知識などは、
キャリアの長いパートさんや先輩がきちんと教えてくれますし、
急いで営業して売れる商品でもないので、売上、売上とせっつく店長もいないと思います(笑)。
また、若い社員も多いので、違和感なくコミュニケーションが取れていますね。
新卒採用を続けている会社なので、どの店舗に配属されても、
若手一人で困るということもありません。
大仏壇博などでも、大いに若手が活躍しています。
私は、まだ中心メンバーとして活動したことはありませんが、
どんな場面でも自由に意見を出せる雰囲気はあると思います。」

新卒採用を続けている会社なので、どの店舗に配属されても、
若手一人で困るということもありません。
大仏壇博などでも、大いに若手が活躍しています。
私は、まだ中心メンバーとして活動したことはありませんが、
どんな場面でも自由に意見を出せる雰囲気はあると思います。」
「お客様の笑顔が見られる。『ありがとう』がもらえる」
これらは、接客業に共通するやりがいだろう。
でも、それだけでは物足りないし、続かない。
お客様との信頼が自分の成長や実績につながっていく実感が必要だと思う。
でも、それだけでは物足りないし、続かない。
お客様との信頼が自分の成長や実績につながっていく実感が必要だと思う。
木谷仏壇は、そんな実感を得ながら若い人が活躍できる職場。
そして、その様子を面白く感じた若い人が、また入社し、活躍していく。
そんな好循環がある。
多くの社員の笑顔を見ながらそんなことを思った取材となった。
Data 2018.11.05
株式会社木谷仏壇 の会社情報
企業名 | 株式会社木谷仏壇 |
---|---|
経営理念 | 企業とは儲ける事ではない。 誠実と努力の報酬を得ることである。 |
所在地 | 〒763-0071 香川県丸亀市田村町1268 |
業務内容 | ・仏壇・仏具・寺院仏具・神具・神輿類の製造・販売及び修理 ・墓石の販売及び施工 ★木谷仏壇の店舗ネットワーク★ ■本社 香川県善通寺市金蔵寺町1864-8 ■拠点 香川(5店舗)、 愛媛(3店舗)、工場 丸亀本店 香川県丸亀市田村町1268 高松本店 香川県高松市木太町2676 綾川店 香川県綾歌郡綾川町萱原560-1-2 観音寺店 香川県観音寺市吉岡町197-1 三豊高瀬店 香川県三豊市高瀬町下勝間2550 三島川之江店 愛媛県四国中央市川之江町178-5 新居浜店 愛媛県新居浜市土橋1丁目12-16 今治店 愛媛県今治市北高下町1丁目4-27 善通寺工場 香川県善通寺市金蔵寺町1864-8 |
電話番号 | 0877-23-6767 |
ホームページ | http://kitani-butsudan.com/index.html |
設立 | 1981年 ★創業は、天明元年(1781年)です |
従業員数 | 68名(女性29名、男性39名) |
代表者 | 代表取締役会長 岡本博文 |
資本金 | 5,600万円 |
売上高 | 20億円(2007年4月実績) |